三十数年も授業をやってくれば、やはり生徒の色々な変化が目につきます。特に授業内容にからめた雑談をしていく中で、「昔の生徒には通じても、今の生徒はポッカーン」な話題というものがどんどん増えてきます。もちろんコレは「今の子は物を知らなさすぎる!qあwせdrftgyふじこlp;@:「」!・・・とキレるのは無理筋で、「こっちが老害化しただけだ」と冷静にとらえてはいます。(もちろん逆もまた然り。こっちも生徒の話題にはポッカーンなわけで・・・)
さて、例えば清少納言「枕草子」の秋の段。「烏の寝どころへいくとて、三つ四つ、二つ三つなど飛び急ぐさへあわれなり。」のあたりで、大抵私は「寝どころへ行くと、子どものカラスは何羽いるでしょうか?」と、なぞなぞともクイズともつかぬ発問をします。(リアルには秋ですから、多分巣立ちをしていて子ガラスはとっくにいないわけですが。)まぁ「ポッカーン」ですわな。そこで私はヒントとして「ほら、有名なカラスの歌があるだろ?」と聞いてみるわけですが・・・そこで問題です。お読みのあなた、「♪カ~ラ~ス~、なぜ鳴くの~♪」の歌の続きは何でしょう?はい、そうですね。生徒も「♪カラスの勝手でしょ~♪」と大合唱しますよw。
で、「それが何か?」と、何の疑問も抱かないあなたは、きっと40歳以下でしょうね。我々老害世代は(もちろん「勝手でしょ」の歌も知っていますが)幼稚園や小学校で、オリジナルの歌を習ったり歌ったり聞いたりしていますので、「♪カラスは山にかわいい7つの子があるからよ~♪」の方を知っています。つまり答えは「7羽」なんですよ。
ところが、20年くらい前からでしょうかね?カラスの元歌を知っている生徒というのが、本当に少なくなってきたんです。元歌はこうだよ、と教えるとまさに「ポッカーン」です。さらに、「それは8時だよ全員集合で、志村けんが作った替え歌なんだよ。」と教えると「エーーー!?」ってなもんです。そもそも私らくらいの老害世代じゃなければ、リアルタイムで全員集合を見ていないわけで、知らなくても無理はないわけですが、志村けんが作った、というのは全然知られてないというのが、逆に我々から言うとショックですね。(あと、「最初はグー!」というじゃんけんの合図も、全員集合から生まれた、というのも、ちょっとしたトリビアとしてついでに教えますが、これも全然知られてませんね。)
「さん、はい。」で会場の子ども大合唱してましたね。
ちなみに、今回このブログで初めて知った方のために歌詞を書いておきますと(あれ!これって何とかラックにひっかかるのかな?古いから大丈夫かな?)
からすなぜなくの からすはやまに かわいいななつのこがあるからよ
かわいかわいとからすはなくの かわいかわいとなくんだよ
やまのふるすにいってみてごらん まるいめをしたいいこだよ
つまり、カラスは「カーカー」と鳴いているのではなくて、実は「かわいかわい」と鳴いているんだよ、とちょいとほのぼのしたネタになります。
さらに脱線して、「さて問題です。この歌の題名は何でしょう?」と聞いてみますと、まあほとんどの生徒は「カラス」「カラスなぜなくの」と答えますね。お読みのあなた、ご存知ですか?(正解はCMの後このブログの一番最後に書いておきます。)
そういえば、題名がクイズになる歌といえば、「♪春の~うららの~隅田川~♪」もまぁ題名はすぐ出てきませんね。大抵「春」「春のうららの」「隅田川」と答えます。こちらも正解を最後に載せますが、この滝廉太郎の歌なんかも、俳句や短歌の授業の時に、五七調、七五調の説明で、生徒の小学校の時の校歌を思い出させて説明したあとに(新しい学校はともかく、ちょっと歴史のある小学校だったらおおむね五と七の組み合わせの歌詞だと思います。)
あわせて、昔のアニメ主題歌や、昔の古い歌なんかを引き合いに出して例にしたりします。(タイガーマスクは正調の七五調ですよね。「しろいまっとの じゃんぐるに きょうもあらしが ふきあれる」巨人の星はよく見ると都々逸です。「おもいこんだら しれんのみちを ゆくがおとこの どこんじょう」w)
↑思い込んだら、です。重いコンダラではありませんw このローラーを「コンダラ」と勘違いしているヤツがいた、なんてのもネタとして使ったりしますね。元々のアニメでは歌詞は全部ひらがなで書いてあったので、まぁ誤解することはありえますわな。
しかしながら、「荒城の月」とか「箱根八里」とか、この「♪春のうららの~」とか(滝廉太郎ばかりですが)てっきり一つぐらい小学校で習ってるのかと思ったら「全然知らない」「習ってない」らしいんですよね。いや、時代の流れもあるでしょうし、「なんでこんな日本の誇るべき歌を教えないんだぁ~!qあwせdrftgyふじこlp;@:「」!」と逆上するつもりもありませんが、われら老害世代から言わせてもらえば、なんだかちょっと時代遅れで寂しい気持ちです。それではまた。
(PS それにしても自分が授業中脱線だらけなことに改めて気づいたわ。さすが老害。)
(答え カラスなぜなくの→題名「七つの子」 春のうららの→題名「花」でした。)