ポンコツ先生の自己満へそ曲がり国語教室と老害アウトドア

中学校の国語や趣味に関する話題を中心に書いてます。

2021-01-01から1年間の記事一覧

なんちゃってキャンパーの密かな楽しみその4

走れメロスについて書こうと思ってたのですが・・・ ずっと雪が降らないでいた北海道も、ついにまとまった雪が降り、根雪になるようです。ある晴れた日の午後、思い立って「キャンプとは言わないまでも(というかそもそも冬装備がないので)ちょいと外でメシ…

「走れメロス」の読解その③

さて、前回からの続きです。もともとは寛大な王であったディオニスが、なぜ「邪知暴虐」「奸佞邪知」の暴君になったのか?これは授業の中でも軽いジャブとして有効な発問ですが、前回書いたとおり、この部分は原典になく、全くの太宰の創作になります。「若…

「走れメロス」の読解その②

前回ご覧いただいたように、「走れメロス」と、その原典?であるシラーの「人質」を見比べるとさまざまな変更点があります。当然太宰治が、何らかの意図を持って変えたのだ、と考えるのが普通だと思います。まずはその相違点のうち、主だったところをピック…

「走れメロス」の読解①

えーと・・・とうとう禁断の教材に手を出すことにしました。 日本中の中学生を含む老若男女に熱狂的ファンが多く、下手なことを書こうものなら罵詈雑言脅迫怨嗟の声を浴びせられること請け合いの、「太宰治」です。何度も言いますが、個人的に特に太宰に詳し…

なんちゃってキャンパーの密かな楽しみその3

昔バイクでキャンプしていた時には、ファーストエイドキットなど持たずに(そもそもバイクでこければファーストエイドキットでは済みませんわな。)平気で過ごしていましたが、どうやらYouTubeでいろいろな方の荷物一覧を見ると、ファーストエイドキットはマ…

なんちゃってキャンパーの密かな楽しみその2

(結果的に宣伝になってしまいますが、決してステマのつもりはありません。)さて、前回載せましたYouTuberのFUKUさんプロデュースのギアケースとファーストエイドキットケース、実はあっというまに完売になったそうで、私が買えたのはかなり運がよかったよ…

なんちゃってキャンパーの密かな楽しみその1

私は昔から「一人あそび」が好きで、例えばバイク、例えば読書、例えばパチ○○、そしてバイクとともにキャンプも好きでした。バイクキャンプでは大学生の夏休みに北海道半周(札幌→根室→稚内→旭川→札幌)というコースを、さらに就職してから2回、東北の芭蕉関…

「少年の日の思い出」の思い出その⑦

今さらですが、もう一度主人公が来た時の、一連の表記を振り返ります。 「壊れた羽は丹念に広げられ、ぬれた吸い取り紙の上に置かれてあった。しかし、それは直すよしもなかった。触覚もやはりなくなっていた。そこで、それは僕がやったのだ、と言い、詳しく…

「少年の日の思い出」の思い出その⑥

前回の続きです。さて、山場である主人公とエーミールが対峙する場面で、90%の国語教師がするであろうQ3、『エーミールの言った「そうかそうか、つまり君はそんなやつなんだな。」の「そんなやつ」とはどんなやつという意味だと思うか?』に対するA3…

「少年の日の思い出」の思い出その⑤

※しつこいようですが、表記については原文のドイツ語に当たればはっきりすると思いますが、そんな気力も能力も無いので、あくまでも「日本語訳」の表記にこだわった茶々読解について述べていきます。 「二重にしてくびにかける数珠」「ここではきものを脱い…

「少年の日の思い出」の思い出その④

教科書を読んでいて、今回また新たに「気ーづいちゃった気ーづいちゃったわーいわい(©デッカチャン)」ってことがありました。何かというと「微妙な教科書の記述の変化再び」です。「少年の日の思い出」の旧記述では『僕は、「床にお入り。」と言われた。』…

「少年の日の思い出」の思い出その③

皆さんご存知のこの小説は、主人公が闇の中で、自分の集めたチョウの収集を一つ一つ指で粉々につぶしてしまうシーンで終わります。 僕は、そっと食堂に行って、大きなとび色の厚紙の箱を取ってき、それを寝台の上にのせ、闇の中で開いた。そして、ちょうを一…

「少年の日の思い出」の思い出その②とお詫び

えー、まことに申し訳ありませんが、前回アップした「少年の日の思い出」の思い出①の中に、改めて読み直すと重大な誤りがあったことがわかりまして、ここに訂正させていただきたいと思います。(汗) 何のことかというと、昔の思い出に、実にもっともらしい…

「少年の日の思い出」の思い出その①

それにしても、考えて見れば毎年何万人という中学生が読み、そしてもう何十年も続いているのだから、「少年の日の思い出」とか「故郷」とか「走れメロス」とか、ものすごいロング&ベストセラーなんですね。日本のほとんどの人が読んでいる、と言っても過言…

教科書の中の微妙な表記の変化について

さて、前回「星の花の降るころに」の凡ミス(自習時間の後に「給食なしで」いきなり昼休みになっていた点)について、教科書会社に電話したときに、せめて「自習時間」を「給食時間」に直すだけで解決できますよ?と一応提案したのですが、採用されなかった…

「モアイは語る」についての「禁断?の授業」

2年生の説明的文章で「モアイは語るー地球の未来」という題材があります。以前のブログで「筆者のドヤ顔がうかがえる」という、見ようによってはまことに失礼な内容を書かせていただきましたが、今年度の授業をするにあたって、とうとう教科書の扱いのタブー…

「星の花が降るころに」についての考察その4

ご覧くださっているごく少数の皆様。お待たせしました。お待たせしすぎたかもしれません。さて、いかにネタが少ないとはいえ、見え見えの引っ張りはこれくらいにして、いきなり本題に入ります。前回提示しました「星の花が振るころに」の中のこの表現、「サ…

「星の花が降るころに」についての考察その3

改めて言うのも変ですが、私はほとんど教材研究をしたり、指導書見たりはしません。その上で、教科書の文章表現だけから以下のことを述べています。したがって、ちゃんと教材研究をしていたり、指導書を確認している先生方にとっては、今私の書いている内容…

「星の花が降るころに」についての考察その2

さて、色々突っ込んで読みたいところが満載のこの小説ですが、調査したわけではないし、詳しく教材研究をしたり、指導書を読んだりもしていないけれど、単純に文章表現だけから読解して、「ここ面白いところなんだけど、あまり触れている先生がいないなぁ」…

「星の花が降るころに」についての考察その1

突然ですが、私はパソコンのプログラムやハードについては全然わかりませんが、ネットにはISDNの時代から繋いでいて、2ちゃんねるなんかもよく見ていました。それがどうしたかというと、私はこの「星の花が降るころに」の作者である安東みきえさんは、ひょっ…

教科書会社に電話した話その5

前回の続きです。『「新しい博物学」の時代』の中の表記に引っ掛かりを感じた私は、以前書きました「卵」から数年後、また教科書会社に電話をしてみました。ただし、今回の電話は正直「ツッコミを入れるのは野暮な内容」であることは重々承知の上でした。専…

教科書会社に電話した話その4

もちろん極論であり、この辺が「へそ曲がり」なわけですが、私は授業の中でよく生徒に、「性格の悪い人は国語ができるはず。」と言ったりしています。どういうことかというと、「人の揚げ足取りがうまい」とか、「人のしくじりに目ざとい人」は、国語の読み…

説明的文章を読むときのヒソカな楽しみ方

さて、教科書にはいろいろなジャンルの教材がありますが、正直私は説明的文章があまり好きではありません。小説と違ってあれこれ推理する場面がなく、「読めば分かる」ように書かれているからです。自分の授業が下手くそなことを棚に上げて言いますが、どう…

私の丸つけ筆記具の変遷②

変遷と言いますか、今現在の主力選手の紹介になります。つまり「柔らかくてあまり肩の凝らないソフト系」のサインペンです。と、いっても「パイロット系」と「プラチナ系」の二種類しかありません。ではまず、パイロット系の丸つけペンはこれです。 パイロッ…

私の丸つけ筆記具の変遷①

こういうのも何ですが、私は結構文房具マニアでして、字が汚いわりには筆記具にこだわる、というかいろいろ買いたくなる性分です。(間違っても高い万年筆とかを買ったりはしません。せいぜい千円以内で、結構いろいろ楽しめるのがイイんです。) 働き始めて…

「夏の葬列」(山川方夫)で感じた違和感③

葬式まんじゅうほしさに、おだって(この方言わかりますかね?「調子こいて」くらいの意味かな?)芋畑の中を突っ切っていった主人公を助けにきて、銃撃を受けてしまったヒロ子さんは、実はいち早く「道の」防空壕に避難していた。その安全な防空壕からわざ…

「夏の葬列」(山川方夫)で感じた違和感②

前回書きました「違和感」についてですが、皆さんはどこかに違和感を感じたでしょうか?さて、私が感じた違和感とは何かというと、ヒロ子さんのセリフの中の、「早く、道の防空壕に・・・」なんです。もっといえば、「道の」です。これって、切羽詰まった状…

「夏の葬列」(山川方夫 教育出版2年生)で感じた違和感①

まずネタバレにならない程度にあらすじを紹介します。(教科書で読んだ、という方には無用ですが、教育出版の教科書ではなかった方もいらっしゃると思うので一応) 出張帰りのサラリーマンである主人公は、まだ戦時中だった十数年前の小学生の時、疎開してい…

「1・2の三四郎」というマンガに

高校生の時どっぷりつかりまして、その影響でプロレスにも興味を持ち(ハルク・ホーガンや初代タイガーマスクがデビューしたり、スタン・ハンセンとアンドレ・ザ・ジャイアントが戦ったりと、まさに黄金期でした。)、東スポやプロレス雑誌も読んだりしてい…

「東洲斎写楽はもういない」を読んで驚いたのは

今まで何の疑いもなく勝手に「とうしゅうさい」だと思いこんでいたことです。「言われてみれば」確かに、東「州」ではなく東「洲」と、さんずいがついています。でも何かの話題に出てきた場合は、まず例外なくみんな「とうしゅうさい」と読んでいます。(A…