2022-01-01から1ヶ月間の記事一覧
生徒がよく読み違いする箇所として、「刑場で二人が殴り合った後、うれし泣きにおいおい泣いたのはなぜか?」という発問に対し、①「間に合ってセリヌンティウスの命が助かったから」という答えが多いのですが、これは違いますね。同じく②「メロスが許しても…
小説は、大抵何らかの変化を書くもので、前回述べた内容を使うならば、走れメロスは「人間不信で顔面蒼白になったディオニスが、人間らしさを取り戻して羞恥で赤面する物語」とまとめることができるかと思います。同じくメロスで言うならば、「激怒で赤面し…
以前このシリーズで書いたように、太宰はディオニスを、原典通りの「リアルガチ暴君」→改心、という流れではなく、善良→闇堕ち→善良、という意識の変化に書き改めました。また、メロスについても、原典通りの「徹頭徹尾神の加護を得た勇者」ではなく、ディオ…
フィロストラトス(年齢不詳)の言動を並べてみると、確かに支離滅裂なところが目立ちます。ちょっと引用してみますと・・・ 「もう、だめでございます。むだでございます。走るのはやめてください。もう、あの方をお助けになることはできません。」「ちょう…
原典「人質」と「走れメロス」の変更点について、これまでに 変更点01 原典では書かれていない、ディオニスの人格変化が書かれていること。 変更点02 原典では話を聞いて感動しているが、太宰は実際にその場で目撃させている。 ・・・の2点について考察して…