ポンコツ先生の自己満へそ曲がり国語教室と老害アウトドア

中学校の国語や趣味に関する話題を中心に書いてます。

こんな雑談をしてきたその10(短歌の授業と五色百人一首)

前回の額田王については、「問題、ジャジャン!(古っ)「君待つと」の「君」とは誰のことでしょうか?ヒントは「壬申の乱」の登場人物です。」

・・・というクイズを出したりもしますが、まぁ覚えてないんすねこれが。3年生の2学期も半ばとなれば、歴史の受験勉強くらい終わっていてほしいものですが。そもそも「壬申の乱は何年でしょう?」すら答えられない人が多数。勤務校を貶めるつもりはありませんが、受験がかなり不安になってきます。

さて、ググッてみるとこの「君」は天智天皇のことだそうで、そもそも額田王天武天皇の妻だったのに?なんで?ってあたりで、結構女子なんかは「きゃー♥」てなもんです。どちらかというとモロに歴史の授業の内容ですが、こういうのを見ると総合的な学習というのも、もっと小さなスケールならば、やったほうがいいかもしれないと感じたり感じなかったり。まぁ個人的には「総合的な学習などこれっぽっちもいらぬ!」と思っていますけどね。(オイオイ💦)

(はむかいたいけど「ごまめの歯ぎしり」ですな。)

さて、ご存じの通り、光村3年の教科書の、短歌の教材で取り上げられている有名なもののうち、百人一首に入っている歌が4首あります。ご存知とは思いますが、一応挙げておきますと

春過ぎて夏来るらし白たへの衣干したり天の香具山(持統天皇)

春過ぎて夏来にけらし白たへの衣ほすてふ天の香具山(百人一首)

田子の浦にうち出でてみれば真白にそ富士の高嶺に雪は降りける(山辺赤人

田子の浦ゆうち出出てみれば白たへの富士の高値に雪は降りつつ(百人一首)

人はいさ心も知らずふるさとは花ぞ昔の香ににほひける(紀貫之)

玉の緒よ絶えなば耐えねながらへば忍ぶることの弱りもぞする(式子内親王)

・・・の4つです。これまたご案内の通り、雑談の大好きな私は、万葉集の2つについては、百人一首バージョン、というか藤原定家バージョンも教えています。(&「三夕の歌」も。)

そこまではよしとして、私はさらに「まとめ」と称して生徒に「五色百人一首」をやらせています。これは、昔の同僚のT先生から教わったもので、本来小学生向けの教材なのですが、これが意外と中学生(それも3年生)でも、夢中になってやるんですよね。というか、そもそも1、2年生の時から、「授業するのがダルいなぁ」という時「生徒の集中力が切れてきてるなぁ」という時にやらせてきました。

大きな声では言えませんが、大昔に事務にお願いして一クラス分のセットを買ってもらい、その後の学校でもずっと持ち歩いて使っています。(20年近く経つから時効時効)それ以外に、ひどい時には道徳の授業で「日本の伝統文化に触れる」と称してやらせたりしてきました。取り札20個+読み札1個が、27cmの靴の空き箱にちょうど入るんで持ち運びに便利なんですよこれがW

 ←まさにシンデレラフィット

百首が五色に分けてあり、20枚のうち17枚取る勝負という、短い時間でできるし、相手をどんどん換えていくとみんなかなり熱中してがんばります。T先生には本当に良い物を教わったと感謝しています。 

それよりも昔には、下の句かるたとか板かるたと呼ばれるものをやらせていました。学校によっては、複数のセットが教材室なんかに眠っていたりしますし、生徒によっては児童会館でやってた、などという子もいるので、逆に上の句から詠んで下の句を取る、正調の百人一首のほうが新鮮に感じるようです。(下の句かるたも、これはこれで立派な北海道の文化だと思うけれど、さすがに初見では全然読めないし、人やら我やらの札の見分けも難しいので、パワポで画像を出しながらやったりしてます。

で、行く先行く先の学校で、自分だけ楽な思い日本文化を尊重していては申し訳ないと思い、事務室にお願いして1学級分のセットを頼んでは置いてきたのですが、どうも皆さん、あまり使ってくれていなさそうで、何だか申し訳ない感じです。読み札と合わせて1学級分で約2万円弱するんですよ。でも私なんぞもう20年くらい使ってますから、かなりコスパはいいと思います。

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ところがまぁ、こちらの指導力不足といいますかなんと言いますか(というかそれに尽きる)実際にやらせるときに、前述の四つの短歌についてだけは、「作者名」→「上の句だけ3回」→「下の句2回」という読み方をするのですが、作者名で取れる生徒、上の句だけで取れる生徒は、それぞれほんの1人か2人くらい。全然授業の成果が出ていないことを、実感させられまして。

楽しそうにやっている生徒とは裏腹に、「忸怩たる思い」をするのでありました。やれやれ、どっとはらい。(それはそれとして、ご存じない国語の先生、マジでオススメですよ五色百人一首。)