ポンコツ先生の自己満へそ曲がり国語教室と老害アウトドア

中学校の国語や趣味に関する話題を中心に書いてます。

こんな雑談をしてきたその6(盆土産 モアイは語る)

授業の中の小ネタその4で、「盆土産」について打っていたはずが、猪木さんの訃報を聞いて途中で脱線してしまいました。授業での雑談ネタがもう少しあったので、話を「盆土産」に戻します。

おそらく昭和中期、高度経済成長期ころの話である「盆土産」には、なかなかZ世代(使ってはいますが、これどういう意味なんでしょうね?)が聞いたことのないような言葉がいくつか出てきます。以前に載せた「あみだかぶり」もそうですし、例えば、主人公が撒き餌としてエゴマを川面に吹き散らかした時、小魚が食いついて水面が「あばた」のようになった、という表記がありました。これがやっぱりZ世代・・・ええぃしゃらくせぇ。現代っ子には分からない。説明もちょっと面倒くさい。

「今では根絶されたけど、昔は天然痘という病気があって、かかると顔とかに水疱が出来て、治ったあとで皮膚がボコボコになってしまうんだが、それをあばたと言うんだよ。」という説明の後、引き合いに出すのが「ほら、ブラックマヨネーズの痩せてる方の人みたいなの。」という説明です。(リアルに失礼ですし、一昔前なら「ケーシー高峯」と例えたのですが、現代っ子はまず知らないだろうから、無断利用させてもらっています。)でもブラマヨもあんまり有名ではなくなったらしく(益々失礼)ピンとこない子が増えてきたようです。

そこから雑談で「顔がボコボコになってしまうから嫌がられたんだけど、そんなあばたでも、惚れてしまうと別のものに見えてしまう、ということわざがあるんだけど、わかるかな?あばたもホニャララって。」と発問します。まぁ出てきませんわナァ。「あばたもニキビ」だの「あばたも吹き出物」だの・・・ちがうちがう、顔がへこむやつあるだろ?「あばたもグーパン!」・・・おいおい。うーん、笑うとくぼむやつだよ。「あ、わかった、あばたも笑窪(えくぼ)だ!」やれやれ。

いやぁ、日常生活でみんな使わなくなったから、仕方がないのかも知れませんが、現代っ子にはまぁことわざ慣用句故事成語の類いがなかなか通じません。国語科の予算で、いろはかるたを買ってもらって、班ごとでやってみたりもしましたが、ほとんどのことわざを全然知らない、という反応でした。ことわざといえば、「モアイは語る」の中でも、ことわざに関連して、こんな雑談をすることが多いです。(ネタバレ注意)

「モアイは語る」の論説の展開で、一番盛り上がるところとして、二系統の流れを使って「文明崩壊」につながることを学習します。つまり、

一つめとして①コロを作ったり、燃料にしたり、耕地を広げるためヤシの木を切る→②表層土壌が流出する→③作物が取れなくなる→④食糧危機が起こる→⑤部族間の争いが起き、文明が崩壊する、という流れ。

もう一つは①コロを作ったり(以下略)→②船が作れなくなる→③魚や貝がとれなくなる→④食糧危機が起こる→⑤部族間の(以下略)・・・という二つの流れから文明の崩壊に至った、という展開なわけですが、この確認の授業の時に、まず「バタフライエフェクト」ということについてチラッと触れます。あるちょっとした出来事が、巡り巡って想像もつかないような結果に結びつく、というようなことのたとえなわけですが、「これによく似た日本のことわざを知ってる人いないかな?」と振ってみるわけです。

 見たことないですが結構有名な映画らしいですね。

まぁ大方の予想通り、誰もわからんのですわ。(たまぁ~に、「故事ことわざ辞典」とか好きで読んでいる生徒が分かるくらい)そこでヒントを出すわけです。「風が吹けば?」・・・「寒い」「風邪を引く」「引きこもる」「凧が揚げやすい」等々まぁ珍妙なことわざを編み出すのですが、最終的に正解の「風が吹けば桶屋が儲かる」を示しても、「はぁ~あ?」ってなもんですよ。で、説明するわけです。

風が吹く→砂埃が立つ→目に砂が入る(「小砂眼入して歩行成り難し」ってのは「たらちね」でしたか。)→眼の病気にかかる人が増える→失明する人も出る→盲目になった人は三味線を習う(ここがまず現代っ子には意味がわからない)→三味線が売れると猫が減る(三味線には猫の皮を使っていた、というのを説明すると嫌ぁ~な顔をしますね。そこがまたw)→猫が減るとネズミが増える→ネズミが増えると桶とかをガリガリかじる→桶屋がもうかる、という、ピタゴ〇スイッチも真っ青の連続システムを説明すると・・・まぁポッカーンとしてますわなぁw

こんなのを説明するのに10分近くつかってしまうものだから、まぁ授業が進まない進まない。反省はしている。だが後悔はしていない。(←こういう歌があるそうですな。知らんけど。)なぜなら、老害にできることは、古いことを伝えることだけだから。(ヒドいケツのまくり方だなぁおい。)たった2つのネタで随分長文になってしまいました。でも雑談はまだ続きます。(反省はしている。だが後悔はしていない。)「モアイは語る」については、もう一つことわざに関する雑談の話がありまして、それはまた次回のブログで。よろしければまたおつきあいください。