ポンコツ先生の自己満へそ曲がり国語教室と老害アウトドア

中学校の国語や趣味に関する話題を中心に書いてます。

「クマゼミ増加の原因を探る」に関する教科書会社への不満

もう聞きかじりもいいところなんで、全然情報が違っていたら恐縮なんですが、なにやら高校の教科書の題材で、小説の割合が減って何やら実用的文章が増えるとか。

(あまり大きな声では言えませんが)

面白くねえ~! 

(あ、言っちゃったテヘペロ

 

どうなんでしょうねこれ。確かに授業やらテストやらやってみて、中学生の「読み取る力」が物足りない、とは感じています。でもだからといって、説明的文章やら実用的文章やら読ませて、読解力がつくんですかね?

確かに、説明的文章は、「読めばわかる」ように筆者が書いているはず。(そのわりにはこのブログでいいだけイチャモン指摘をつけてきましたが)でもねえ、やっぱり小説の方が、こうじゃないかああじゃないかと、いろいろ想像を膨らませられるし、深く突っ込んで読めば、かならず作者は「こう読んでほしい」という手掛かりなり伏線なりを書き記しているのだから、すべてではなくてもかなり読み取れるはず。そして気づいた時の快感(アハ体験?←死語)はものすごく大きいと、私は個人的に思っています。「筆者」の思惑どおりを読み取るよりも、「作者」の示す謎との勝負の方が面白いと思うんですよね。

さて、ボヤキから入りましたが、昨今言われる「問題解決型学習」とやら、すなわち「自ら考え、問題を発見し、解決する能力を身につける」とかいうヤツ。これについて思うことは、前提として「そもそも、何もしなくても積極的に問題を発見しようとする子なんて見たことないよ」ってことです。

例えば、2年生の「クマゼミ増加の原因を探る」について考えてみます。(この題名って、なろう系小説の題名ばりにほぼ内容そのままですよね。知らんけど)

筆者は、昔レアアイテムだったクマゼミが、年月がたって大阪市内でやたらクマゼミの声ばかりが聞こえることに気づきます。そこから実際に調査をし、大阪市内と市外、郊外のセミの割合を比べると、大阪市内では圧倒的にクマゼミが占める割合が多いことを証明します。そこから仮説をたて、調査や実験をし、仮設の検証を行う、という流れで、「なぜ大阪市内でクマゼミの占める割合が増加したのか」についてある程度の結論に達します。

いくつもの棒グラフを図示しながら話が進んでいくわけですが、生徒にしてみると、できるできない以前に、筆者がグラフから読み取れる事柄を再度文章に起こして説明するわけで、「ふーん(ハナホジ)」ってなもんです。むしろ教科書の内容から外れて、グラフを見て他に疑問はないか?なんて投げかけるといろいろと気づく生徒もいたりするんですよね。で、それについて仮説を立ててみな?なんてこともやると面白かったですよ。では読んでいる皆さんも挑戦してみてください・・・・・・ 

 

と、ここまで打ってきて大変愚かしいことが判明しました。やってくれたな光○図書!

 

いえね、教科書には「指導書」ってものがありまして、結構なお値段するし、学校の予算で購入するのですが、これには付録として、テストなどを作るときに、いちいち長い文章を打つのがアレなので、テキストファイルとpdfのデータにしたCDロムが付いてきます。で、このpdfが「コピーできない」ようになっているのですよ。文章だけならテキストファイルで済むのですが、そこに教科書のグラフや表を付けたい、と思ってもコピー→ペーストできないのですよ。グラフを使用する説明的文章のテスト問題を作るとき、グラフをコピーできなかったら関連した問題が作れないじゃないですか!

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著作権とかいろいろ面倒なことがあるのかもしれませんが、まさか我々に「エクセルか何かでグラフを真似して作れ下賎の者ども。なに?コピーだとぉ?ふざけるなこの愚民めが!われわれ高貴なる教科書会社様と著作権様を何と心得る!テキストデータをつけてやっただけでも有り難く思えこの虫けらが!」と、こうおっしゃるのであれば(いや、言ってないと思いますが)テスト作成の事も考えて、せめてグラフだけでも別枠でコピーできるようにしてくれませんかね?教育課程から外れるかも知れませんが、結構面白い疑問とか仮説を出してくれた生徒はいるんですよ。例えば「四種類のセミ四天王のうち最弱はどれか?」とかね。

で、ですね。愚民である我々に、「pdfデータ印刷→スキャナでデータ化→画像処理ソフトでトリミング→画像貼り付け」という、まことにアナログな作業を強要してくるわけですよ、教科書会社様は。

ゴマメの歯ぎしりとはわかっていますが、面倒な思いをしている国語の先生は相当いると思うんですよね。何とかなりませんかね?教科書会社さまよぉ。(最後投げやり)