ポンコツ先生の自己満へそ曲がり国語教室と老害アウトドア

中学校の国語や趣味に関する話題を中心に書いてます。

アニメでわしも考えた⑮ 

久々のアニメ雑感ですが、もうね、正直食傷気味です。見出すときりがないんですよ。いや、面白いのとかすげぇな、と思うのはたくさんあるんですよ。覇権と言われる「ホニャララのフリーレン」とか「薬屋のホニャララ」とか。でもちょっと疲れまして。それほど真剣に見ているわけじゃないけど、ボーッと流して見ていたい。そんなのにちょうど良いのがひとつはこれ。

「姫様”拷問”の時間です」

題名はずいぶんと物騒なのですが、まぁ緩いことゆるいこと。話は魔王軍に捕まった王国軍第三騎士団長の「姫様」に、王国の秘密を聞き出すべく次々に拷問に掛ける、というお話なのですが、イメージを見ておわかりの通り、いわゆる普通の拷問ではない。というか痛いとか血なまぐさいシーンは一切出てこない。

ネタバレにならない程度に言うと、「美味そう」とか「楽しそう」とか「可愛い」とか、とにかく人間の嗜好とか欲望をくすぐりまくることで、姫様に秘密をしゃべらせようとするんですよ。そしてまたこの姫様がすぐ負けてしまい、どんどん王国の秘密、それも「どーでもいい」秘密を喋ってしまう。さらに緩いことに、せっかく手に入れた秘密を、これまたくだらない理由で魔王様がスルーしたりする。延々とそれの繰り返し。

「姫様はしゃべった」という吹き出し?も毎度定番で、最近はかなり諦め気味の、姫様の喋る聖剣が、欲望に負けそうになる時に入れるツッコミをいれるんです。その「ひめさま?」というセリフがもうたまらなく可笑しいのですよ。声優さん凄いと思います。

逆に、基本パターンが決まっているのによくもまあこれだけいろいろ欲望を考えられるものだな、と思います。と同時に、中身はどれもこれも考えたら我々の日常の一部なんですよ。われわれ日本人は、身の回りにこれほど欲望をかき立てる何かが溢れているんだな、と考えさせられました。ボーッと見るのにはとてもいいアニメだったと思います。

同じく何となくボーッと見るのに良かったのが「ダンジョン飯」ですね。

「いや、あれは覇権だろ」というガチ勢の声が聞こえてきそうですが、基本ダンジョンに潜って、モンスターを食糧として料理して食う、という内容です。最初あらすじを聞いた時には、なんかグロテスクなイメージがありましたが、いざ見てみると、それぞれのモンスターの設定が非常に深くて、単に肉を焼いて食べるだけではなく、料理の仕方が多岐にわたり、最終的に「ああ、これならちょっと食べてみたいかも」的に収まるのが、原作者の手柄なのかアニメ会社のテクなのか、ものすごく上手い。

「姫様~」は基本すべてコメディで、まったく気を張る場面はないのですが、こっちはコメディの部分と、結構血なまぐさい場面が入り混じっています。ヒロイン?のエルフの魔法使いが、水の魔物の攻撃で足や肩を貫かれて血を流すような場面もあったりしますが、血が足りないのをどうするか?という解決がギャグになっていたり。

そもそも、なぜダンジョンに潜るのかというと、主人公の剣士?の妹がドラゴンに食べられてしまい、消化されるまでにあと1カ月ほど、その前に助けなければ!という結構緊迫感あふれる設定なのですが、ともすればそのことを忘れてしまいそうになるほど、彼らのダンジョン探検がのんきに見えるのですよ。

いわゆる「なろう系アニメ」でも、魔物の肉を調理する場面はよく出てきますが、このアニメが一番、「なるほど、それなら旨いかも」と思わせる説得力を持ってると感じます。緩いギャグの部分と、例えばダンジョンの中の冒険者が、単純に他人を助けたりせず、報酬をどうする?のようなリアリティと、その混合がいい味を出している、そんなアニメだと思いますし、所詮冒険者も姫様も、究極的には食欲だな、と考えるアニメ2本でした。