ポンコツ先生の自己満へそ曲がり国語教室と老害アウトドア

中学校の国語や趣味に関する話題を中心に書いてます。

こんな雑談をしてきたその8(正岡子規 石川啄木 そして陰謀論)

短歌の教材では、結構名前ネタの雑談を含めることが多いです。(ドヤ顔することではないのですが。)まずは正岡子規。で、どんな駄ボラを吹くかと言うと(これまた別に吹く必要はないのですが。)「この人は本名「昇 のぼる」という。さてバスケ部のやつはいるかな?バスケットボールって、漢字でどう書く?」(籠球  ろうきゅう)「じゃ、バレー部は?」(排球 ハイキュー)」「バドミントンは?」(羽球 読み方わからん。公式の読み方あるのかな?)まぁこの辺までは知ってるんですわ皆さん。「サッカー部は?」(蹴球   しゅうきゅう)←これは漢字をかけない生徒が多いですね。籠球もだけど。

「ではベースボールは?」「野球」「その、ベースボールを野球と訳したのがこの正岡子規と言われているんだが、なぜそう訳したかわかるか?」「ヒントは正岡子規の本名にある」「そうだ、のぼる、つまり野・ボール。だから野球が好きだった正岡子規は、自分の名前にひっかけて、野球と訳したんだ。」「へぇ~」

さん、はい。「・・・すまん。これはウソだ。」「はぁ~あ?!」「正岡子規が野球を好きだったのは本当だが、これは都市伝説で、野球と訳した人は他にいる。また騙されたようだな。タケちゃんマン(実は私も、結構最近までこの都市伝説を信じていましたが。)」・・・ということで、またイタイケな生徒を騙して喜んでいるイケナイ老害教師です。(反省はしている。だが後悔は以下略)

そういえば、先日修学旅行の引率で東京の上野公園を巡視していた時、、公園の一角にひっそりと「正岡子規記念球場」があることを見つけ、ちょっとホッコリしましたな。生徒が近くにいなかったのが残念です。

同じく上野公園の、「握手」の最初の場面で、主人公とルロイ修道士が落ち合った西洋料理店というのは、おそらくこれだろう、と思われる有名な「精養軒」も見つけて結構コーフンしていたのですが、やはり近くに生徒がいなかったので、コーフンを分かち合うことができませんでした。残念~無念~非行少年~ナナナナーナナナナーナナナナながのけーん。(割とジョイマンって好きなんです。まことにすみまメーン)

 

・・・気を取り直して、短歌の作者の名前ネタその2

井上ひさし曰く「泣き虫生意気石川啄木」についてです。この人は本名「一」と書いて「はじめ」と読みます。で、この雅号「啄木」の意味ですが、これはある鳥のことです。さて、何の鳥でしょうか?(これについては、「啄む」の訓読み「ついばむ」を教えると気づく生徒が結構いますね。)で、次の質問としてずっと出しているのが、「では、キツツキを英語でなんと言うでしょう?」

これの答えが、ヒントを出してもわからない生徒が年々増え、それどころかヒントそのものがわからない、という生徒もどんどん増えてきているので非常にやりづらいです。ヒント曰く「トムとジェリーみたいによく再放送していたアメリカのアニメで、赤い頭で青い体の、なんでもつついて削ってしまう鳥が主人公のアニメなんと言った?」さて、老害世代ならわかっても、Z世代の皆さんはこのヒントでわかりますかね?「知らないかなぁ、頭の毛がとがってて、青い体の?」「ソニック!」

・・・うん、まぁ一部合ってるけどね。てな感じで、正解の「ウッドペッカー」にたどり着くまでに約5分。そもそも、「トムとジェリー」は知っていても、ロードランナーやウッドペッカーは全然再放送されないようで、となると知らないのも無理ないですわなぁ。昭和は遠くなりにけり。で、余計な話はこれで終わるかと思いきや、さにあらず。(ドヤ顔することではない)

 第597回 ロードランナー|翆野 大地|note

混同されがちですが、左がウッドペッカー、右はロードランナーですね。

あとは北海道にも縁が深く、小樽や函館や釧路に歌碑があり、借金ばかりしていて見栄っ張り。女遊びが大好きで人間としてはダメダメもいいとこ。短歌としては「三行書きが特徴で何かと言うとすぐ泣く」ので見分けやすい、というあたりまで説明して約10分。これだもの進まないわなぁ。(反省はしている。だが後悔は以下略)

ついでに、「東海の小島の磯の白砂にわれ泣きぬれて蟹とたはむる」の一首を必ず教えます。つまり、この歌をイメージすると「一握の砂」「悲しき玩具」という二つの歌集を思い出せるぞ、と。(実際どれくらい役に立っているやら)

雑談はさらに続きまして、「そんなダメ人間の啄木を、ずっと支えてくれた、やがてアイヌ語の研究で有名になり、国語の辞書の編集とかに名前が載る有名な学者が居るんだけど、知っているかな?」「有名な天才で、この人の名前を取って横溝正史という推理小説作家が自分の小説の名探偵の名前に借りたんだけど?」・・・(この話は、私が教師になった初めの頃の生徒にはすぐピンときました。当時角川映画の「八つ墓村」やら「犬神家の一族」やらがおおはやりだったからです。ところが最近の生徒は横溝正史なぞとんと読まなくなったし、映画とかもやらないのでさっぱりわかりません。この辺もジェネレーションギャップでしょうね。)

ある程度の年齢の方なら、その探偵の名が「金田一耕助」であることはご存知ですね。そしてその名前の元になった国語学者が「金田一京助」であることは、ちょっとしたミステリファンならご存知ですよね。(そういえば最近、お孫さんの金田一秀穂さんテレビに出ませんね。)

当然中学生はそんなことは知りませんが、その金田一耕助の孫、逆に言えば金田一耕助を「じっちゃんの名にかけて!」と引き合いに出すのが、かつて少年マガジンに連載されていた「金田一少年の事件簿」の主人公である「金田一一(きんだいちはじめ)」であることは、中学生でも若干は知っています。

・・・お分かりでしょうか。、ここでひとつのことが一本の線で繋がるのが。石川啄木、本名石川一(はじめ)と仲の良かった金田一京助。その名を借りた金田一耕助、その孫という設定の主人公の名前が一(はじめ)である。これは偶然にしては出来すぎていないか???・・・と言うと、生徒は「なるほど~!」と感心したりします。


但し、「金田一少年の事件簿」の原作者が、本当にそのつもりでつけたのかどうかはわかりません。調べたらわかるのでしょうが、単に面白名前としてつけただけかも知れません。でも、それではつまらないじゃないですか。

はい、こうやって世の中に「陰謀論」が作られていくわけです。今回のは最終的に嘘なのかどうなのかがハッキリしないので、「授業でついたウソ」とはしませんが、正解をご存知のかたがいらっしゃいましたら、ぜひ教えていただきたいと思います。あー、いかにもそれらしい嘘って面白いなあ。(オイオイ)それではまた。