ポンコツ先生の自己満へそ曲がり国語教室と老害アウトドア

中学校の国語や趣味に関する話題を中心に書いてます。

こんな雑談をしてきたその5(アイスプラネット 平家物語)

嘘つき弥次郎とは落語の登場人物です。私は幼少の頃(多分年長さんか小学校低学年の時)に、誰の演目だか分かりませんが、「酢豆腐」という落語をラジオで聞いて面白さに目覚め、小学生の時は「落語傑作選」とかいう類いの本やら、講談社から出ていた、かなり分厚い興津要監修?の「古典落語」という講談社文庫を面白がって読んでいました。(イメージ的には昭和初期の子供みたいですが、一応昭和40年代だったはず。えれぇ昔だなぁおい)で、落語の中には嘘つき物とでもいうような一分野があり、お題の「嘘つき弥次郎」の中のくすぐり、冬になると鴨がたくさん田んぼに来て、寒い日は水が凍ってしまい、足が氷で固まってしまい、それを鎌で切ってかもをたくさんとることができる、春になると残った足から芽が出てまた鳥になる・・・うそつけえ!へぇ、鴨芽(=かもめ)になります、というベッタベタなギャグに、腹を抱えて笑っていた記憶があります。

それ以来こういう、馬鹿馬鹿しい嘘で人をだますのがかなり好きになったのですが(嫌な性格だね)教師になっても、いかにもそれらしい嘘で生徒を煙に巻く、ということをよくやってきました。(もちろん必ず最後には正しい内容を説明しておわるようにしていますよ。)

そもそも、「人はなぜ勉強するのか?」という問いに対しての、私個人の答えは「人にダマされて損をしないために、正しいことを見極める力を持て、そのために勉強しろ。たとえ偉い人でも、それこそ教科書でも先生が言ってることでも、疑ってかかれ。」という、聞く人が聞いたら怒り出しそうなことを生徒には教えています。(で、その証明としてこのブログの最初の方で書いた「教科書会社にクレームを入れた話」シリーズを紹介しています。教科書批判ではなく作者批判だからセーフだよね?)

ということで私のついてきたうそその1(「アイスプラネット」の授業で)

以前のこのブログで、アイアスプラネットの小ネタとして「ほら」「ほらふき」という言葉について教えること、というのをのせましたが、その「ほら」にひっかけて、「うそとかほらとかの類義語として、デマというのがあるが、あれは何でデマというと思う?」と発問します。(まぁ生徒は、これにかぎらす年中無休四六時中でぽかーんとしているのです)「ある言葉を省略したものなんだが、何だろう?」と続けると、中にはちょっとセンスのある子がいて、「デマかせ、の略だと思います。」と言ってきます。これが出ればしめたもの、「そうですね、デマかせなことを言うから、デマというんですよ。」と、いったん正解の振りをしておいてから、「・・・すまん、これはうそだ。」と、生徒をからかって喜んでいました。(イヤなヤツだね。)でも、これはかなり良くできたウソだと思いませんか?というか生徒が考えつくわけで。(ご存じとは思いますが一応正解は最後に載せておきます。)

 

続いて私のついてきたうそその2(「扇の的」で)

平家物語ではいつも、1時限の半分くらい(以上?)を使い、源氏と平家の戦いの概略を説明します。(本当だったら故立川談志の「源平盛衰記」とかを聞かせたいところですが、長いし下ネタが多いしなので、イタイケな中学生にはそうもいかないのですよ。)で、その中の一部として「鵯越(ひよどりごえ)の逆落とし」の話もします。これは「扇の的」ならともかく、以前の教科書(「敦盛の最後」)だったら、その話の前段として必要不可欠な内容ですよね。

その「鵯越の逆落とし」で、こんなことを生徒に話すわけですな。「一ノ谷に陣取った平家に、崖の上から奇襲をかけようとした源義経とその部下達。鵯越と呼ばれる急な崖の上に回り込んで、眼下の平家軍を見下ろすと、完全にこの崖からの攻撃はノーマーク。もしここを下りられたら一気に平家の陣をけちらすことができそうだ。しかし、この急な崖を馬に乗ったままおりられるものか?通りかかった猟師に義経が聞いたんだと。漁師の答え「わしはまぁ、鹿が下りるのは見たことがあるけんどもよぉ、馬で下りるなんてぇのはまぁ、賢いヤツのやることではなかんべぇよぉ。」

それを聞いた義経が「馬も四つ足、鹿も四つ足、鹿が下りられて馬が下りられないはずがない!」と無茶なことを言って全軍突撃させたんだと。何人かは怪我をしただろうが、かなりの数が下りてきて平家軍に襲いかかり、油断していた平家軍を存分に蹴散らした。中に一人、畠山重忠という武将がいて、自分の馬は年取っているから足でも折ったらかわいそうだ、というので馬を担いで下りていったそうだ。銅像も残ってる。

(この頃の馬はこんなに大きくなかったそうです)

それを見ていた猟師が、「あんれまあ、鹿が行けるから馬でも行けるべぇって、そんな馬鹿な話もあるもんだなぁ。」・・・(このあたり「源平盛衰記」とか面白いんですけどねぇ。)と言ったとか言わないとか。「このことから、馬鹿という言葉ができたんだとさ。」生徒「へぇ~。」・・・「すまん。これはうそだ。」生徒「はぁ~ぁ?何それぇ!(怒)」

まぁその後で、中国の昔の皇帝の話をしますけどね。馬を連れてきて家臣に鹿だ鹿だと言われ続けて信じるようになっちゃったってヤツ。でも実はこれも都市伝説で、調べたらサンスクリット語の「莫迦」(=痴の意)から出たとのこと。けれどこっちは話としてはつまらないので、「一説によれば」として、都市伝説の方だけ教えます。

そういえば、国営放送(を装った偏向報道の酷い某)局の、最近の大河ドラマで「畠山重忠」がかなり重要な役で出ていたそうですね。(でも私も見てないし、まして生徒は全く見てないんでしょうが。)

これだけ嘘をつけばもう十分そうですが、そこは「千三つ(千言うなかでホントのことは三つしかない)」の「嘘つき弥次郎」をリスペクトするわたくしめですので、それ以外の駄法螺がまだまだあります。また別の機会に生徒を騙した話をお届けしようと思いますので、よろしければ読んでやってください。どっとはらい

閑話休題(それはともかく) せんみつ、といえば「せんだみつお」って、まだご存命でしたっけ?「金曜10時うわさのチャンネル」ではあんなに大人気だったのに、なんであんなに廃れてしまっただろう?まぁ確かに、今思えば何が面白いのかわからないけど、そんなの現在の芸人でもたくさんいるしなぁ・・・?

閑話休題その2 かなりの回数(独自アドレスに変えてから5~6回?)申請して、やっとグーグルアドセンスに認定していただきました。もちろん公務員なので、今すぐ収益化を図るような設定には出来ませんが、もしクビになったりした時の、頼りないですが「蜘蛛の糸」になってくれれば有り難いですね。ご覧いただいている皆様にも感謝申しあげます。

※「デマ」は「デマゴギー」の略だそうです。(デマ」はドイツ語の「デマゴギー Demagogie」の略で、元来は「政治的な目的で相手を誹謗(ひぼう)し、相手に不利な世論を作り出すように流す虚偽の情報。 また、社会情勢が不安な時などに発生して、人心を惑わすような憶測や事実誤認による情報。」 (日本国語大辞典