ポンコツ先生の自己満へそ曲がり国語教室と老害アウトドア

中学校の国語や趣味に関する話題を中心に書いてます。

砂漠に水を撒くような その②

前回は文節に分けて、〇〇語という見分けをする、というところまでについての「なかなか記憶に残らない、砂漠に水をまくような作業であるところの文法授業」についてふれました。しつこいようですが、基本私のスキル不足の話なので、単なるボヤキなのですが、まぁこの辺を伝えるのにこんな工夫をしてみた(のだが焼け石に水)という、悲しいお話になります。(というかこれも誰得な話ですね)

さて、「ね」「さ」「よ」などを入れて文節に区切ったものを、さらに「単語」に区切ります。それぞれの単語の品詞(〇〇詞)がわかり、活用のある単語について活用形(未然、連用、終止、連帯、仮定、命令)がわかり、付属語の意味の違いがわかれば中学校の文法はほぼ網羅されたことになります。ただ、そもそも単語に分けること、さらに何詞だか見分けることができないんですよ。〇〇形なんてもう夢のまた夢。

で、文節を単語に分けるときに、いろいろ迷いそうな表現はたくさんあるのですが、とにかく「て(で)、た(だ)」は単語に区切れる、ということを覚えるだけで、かなりのアドバンテージになるのです。例として

踊る+みる+た=踊っ「て」み「た」

飲む+騒ぐ+だ=飲ん「で」騒い「だ」・・・となる。

①て(で)は接続助詞で、接続助詞は用言と用言(述語と述語)の間に入る

②た(だ)は助動詞である

ということも付け加えると、かなり使えます。(ついでに、て(で)た(だ)がついた場合、基本「音便形」になる。音便形になった、ということはつまり、活用形としては「連用形」になる。この一連の流れは本当に身近な会話の中によく出てきますので、ぜひ理解してもらいたい・・・・・・・のですが、まぁ生徒は「ポッカーン」ですわ。

さて、単語に分けることができたら(この「分ける」という作業も難しいのです)あとはまず「何詞なのか」を考えます。で、前段として「自立語なのか付属語なのか」という見分けから入りますが、これは簡単。つまり、「自立語は1文節に必ず一つだけ、しかも文節の一番上にある」ということを踏まえれば、機械的に判断がつきます。例えば次のような文があったとします。(アルファベットがそれぞれ何かの単語だとします)

A B/ C Ð E/ F/ G H /I J。 (※/は文節の区切りを表す)

単語が何かはわからなくとも、自立語と付属語の見分けはつきますよね。

自立語=A C F G Iであり、残りは付属語となります。文節に1個だけ、文節の一番先にある、これだけで少なくとも「付属語=助詞、助動詞」ではないことがわかります。

では次に、8個ある自立語のうちどれなのか、の見分けですが、まず10品詞の見分けについて、私はサザエさんで例えて教えています。(それが効果的かどうかはちょっと疑問ではありますが)

①自立語で活用のある3つは「フグタ家=用言家」で、磯野家と戸籍上別家族である。

 一番動きの激しい(活用がたくさんある)サザエさん=動詞

 サラリーマンで行動が決まっている(活用が1種類)マスオさん=形容詞

 サザエさんとマスオさんの子で、マスオさんと同性のタラちゃん=形容動詞

 

②自立語で活用のない5つはすべて磯野家の住人で、

 磯野家の主人(=主語)となる、フグタ家(用言)に対して体言である波平さん

 用言であるサザエさんとのからみの多いカツオくん=副詞

 波平さんにかわいがられてからみの多いワカメちゃん=連体詞

 上記の人たちをうまくまとめてつないでいるフネさん=接続詞

 誰ともつながらない独立語のタマ=感動詞

③磯野家でもフグタ家でもなく(自立語ではなく)、御用聞きでアクティブな三河屋のサブちゃん=助動詞

④磯野家ともフグタ家とも血縁がなく、裏に住んで小説を書いていてあまり動かない(活用がない)伊佐坂(いささか)先生=助詞

・・・と例えてグループ分けをしてきました。(ただし、最近の子供はあまりサザエさんを見ていないっぽいのですよね。年々通じにくくなってきています)

さて、品詞の見分けで一番先にするべきは「体言=名詞」です。教科書では「が」「は」「も」などを伴って主語になれる、と説明してありますが、ポンコツ先生流には名詞は

①「〇〇がヤバい」と言えれば名詞・・・と最近は教えています。ヤバいは実に応用範囲の広い言葉です。昔は~が大きい、~がある、~がない、などと言えれば名詞、と教えていましたが、ヤバいだとすべて網羅できるように思います。(例 速さがヤバい、苦しみがヤバい、など用言っぽい名詞もイケます)

②「しりとりで使えれば名詞」とも教えます。しりとりで「走る」とか「小さい」とかは使いませんよね。

③なんといっても使えるのが「カタカナ語、漢語、漢字で終わる語はすべて名詞」です。特に「漢語」「漢字で書ける」「漢字で終わる」(例「いじめっ子」など)は、余計なことを考えず反射神経的に見分けられます。でも教えないと意外と気づきません。

まったく「誰得」な内容ですが、奇特な初心者の国語の先生の参考になれば、と思い書いてみました。このシリーズももう少し続くんじゃ。どっとはらい