ポンコツ先生の自己満へそ曲がり国語教室と老害アウトドア

中学校の国語や趣味に関する話題を中心に書いてます。

アニメでわしも考えた ⑥

さぁーて、今回のサザエさんネタアニメは……これです。

 

まぁこれは一見して共通点はわかりますよね。どちらも文豪が、おそらくパラレルワールド的な感じで、超常的な力を発揮してバトルする、みたいな内容です。どちらも途中までしか見ていませんし、アルケミストの方はだいぶ昔に見たので、「小説の中の世界が消えていく現象に、文豪を召喚して立ち向かう」程度くらいにしか思い出せないのですが、何にしても「有名な文豪が出てきてバトルする」というのは同じです。(これはまぁ、モチーフは同じでテーマが違うもの、と捉えています)

さらに言えば、例えばマンガのこれとかこれ。

 

はっきり言いまして、私自身は一時期推理小説や冒険小説、その他特定の作家には耽溺していましたが、いわゆる「文豪」の作品をそれほど多く読んでいるわけではありません。というか普通の読書好きの人よりも、読んだ数は少ないと思います。それでも名前と代表作くらいは(入試対策も含め)知っている作家はそこそこいます。

何となくの感覚で言うと、「ストレイドッグス」の方が「アルケミスト」より認知度は高いようですが、どちらにしても「知っている」という子はポツポツいました。そしてそういう子らが、必ずしも国語の成績がよいわけではないのですが、それでも「知ってる」「聞いたことがある」くらいでも、大いに興味付けや関心のネタにはなっていました。いろいろなアニメを見ていると、ありとあらゆるものでバトル物が作られていますが、これらは文豪の作品の題名から、自由な発想でとてつもない破壊力の必殺技を考え出すとか、まったく若い人の発想には驚かされます。

とはいえ、国語教師としてはそれぞれの作品の内容などを、面白おかしく紹介して、子供らに「読んでみたい」と思わせるのが本筋ですが、残念ながらアニメを見ての印象づけよりも、生徒が覚えてくれるような紹介ができていないのが現実です。

でもやはり、中島敦の「山月記」なんて、このアニメを知らずに手に取る可能性は本当に低いと思います。(そもそも短編ですしね)だとしたら、ここはアニメ様々と感謝するべきでしょうね。

本当なら、学校図書館に「坊ちゃんの時代」シリーズ全5巻も、「私説昭和文学」もぜひ置いて欲しいし、読んでもらいたいです。ネタバラシで恐縮ですが、以前紹介した石川啄木に関する授業での雑談は、「坊ちゃんの時代」の、啄木の巻からほとんど情報を得ました。どちらの漫画も、遊郭のことや男女のドロドロした愛憎劇などが描かれていて、中学校の図書館では昨今のしゃらくせぇコンプライアンス的にちょっとマズイのかもしれませんが、今どきの子供ならばネットを使って、見ようと思えばいくらでもヤバい画像など簡単に見られるわけで、これくらい全然大人しいものですよね。(そういえばアニメにも結構卑猥なものはありました。これとかこれとか↓)

 

結論  ということで、国語教師としては本筋ではないという前提の上で、ぜひ漫画「ぼっちゃんの時代」シリーズと、「私説昭和文学」は学校図書館に入れていただきたいと思います。「ぼっちゃん~」の啄木の巻と、「私説~」の太宰治の章は、作家像の理解に凡百の解説書よりも、雰囲気を掴むのに物凄く役立つと思います。(ある意味敗北感を味わいますが)なんと言っても、谷口ジロー村上もとかも、無茶苦茶絵が上手いんですよね。(谷口ジローはお亡くなりになりましたね。合掌。二度と「孤独のグルメ」が読めないのが寂しい。もし別の人が描くなら、と思っていた土田しげるはそれよりも前になくなってたし)

追伸 「私説~」の方の梶井基次郎の章は、もう読んでると全編切なくてせつなくて。何かというと、私自身もかなりのゴリラ顔で、結構顔コンプレックスがあったので、少しわかるんですよ。梶井基次郎はリアルに、昔ヤングマガジンで連載していた「ゴリラーマン」にそっくりでしたからね。(つまりは私も似ているということですが)画像を載せてみますが、どうお思いですか?(結構失礼なこと書いてしまった気がしますが)