ポンコツ先生の自己満へそ曲がり国語教室と老害アウトドア

中学校の国語や趣味に関する話題を中心に書いてます。

オリエンテーションと頭の体操その③

さて、前回紹介した④と、今回の⑤は、時間があればやるし、時間が無ければとばして最後の問題に行くことにしていますが、この⑤は不肖私が考えて出していた問題です。そろそろ慣れてきたころなので、引っかかる生徒がかなり少なくなってきますが、とりあえずこんなのです。

⑤大金持ちの「金羽有三(かねはあるぞう)」の家の召使いから警察に「大変です、ご主人様が毒殺されています」と電話が来た。警察が来てみると、密室の中に金田有三の死体と、青酸カリの入ったウィスキーのビンがあった。当日家には、客として主治医の「折賀八太(おれがやつた)」と甥の「半忍田太郎(はんにんだたろう)」孫の「青山リカ(あおやまりか)」がいた。さて、怪しいのは誰だろうか?

はい、その通りです。この辺まで来ると「名前に引っかかって」という生徒は少なくなり、ピンときてキチンと読み取るようになってきますね。簡単なので、時間が無いときにはとばして次の問題に行きますが、次の問題こそは一番オリエンテーションとして重要な問題であり、今後の授業につなげていきたい内容です。ちなみにこれは、出典は「頭の体操」ではなく、確かどこかの会社の入社試験で出されたものだったはずで、何かで読んでえらく感心した問題です。では考えてみてください。

⑥ある所に、故障して銃口から1メートルしか弾が飛ばない銃を持った猟師がいた。その猟師が、10メートル離れた木の枝にとまっている鳥をその銃で狙って撃ったら、みごと命中した。鳥は木から離れていないし、猟師も木に近づいていない。ではどうして命中したのだろうか?

さて、いかかでしょう?これは今までの問題とは違い、「一つの答えでストンと落ちる」ものではありません。言うなれば「少年の日の思い出」で主人公がチョウを粉々に潰した理由や、「握手」で語り手が最後にした指サインの意味と同様、「みんな違ってみんな良い」類いの問題で、国語の授業において「世界観がぶち壊しにならなければ、いろんな考え方があっていいんだよ。」「馬鹿馬鹿しいと思うようなことでも、いろんな考えを出し合うことがすごく大事なんだよ。」ということを生徒に伝えるためのものです。(入社試験としては、「一つだけの考えで満足せずに、派生的発展的な考え方ができる人」を求めているのだと思います。)

以上、私が最初のオリエンテーションの時に使う問題のご紹介でした。お読みの皆さんは、大体おわかりだと思いますが、解答(回答)と解説、というかネタバレは次回まとめて載せたいと思います。よろしければ次回もご覧ください。