ポンコツ先生の自己満へそ曲がり国語教室と老害アウトドア

中学校の国語や趣味に関する話題を中心に書いてます。

なるほどと思った話その1

自分自身は置いといて、長年教師をやっていると「イイハナシダナー」と思うような先輩、後輩、同僚の一言に出会ったりします。そんな「思い出の一言」をいくつか・・・

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新人の頃に、生徒指導部→生活常任委員会担当を言いつけられました。その時の学校はまぁ今から思えば「荒れてる学校偏差値58」くらいの、なかなか大変な状況でした。新人の場合、他の学校を知らないもんで、「こういうものだ」と思ってしまうので、特に違和感を感じることはありませんでした。そもそも私自身が中学生の時の学校も、かなりひどかったので(それこそ金八先生の「腐ったミカン」の頃を、リアルタイムで見ていた年代ですから)毎日大変でしたけど、中にいて、中学生として生活している分には、「荒れている」とは気づかないものです。

それでも私たちが勤めた時には、諸先輩の先生方のご苦労で、それ以前と比べてかなり良くなっていたそうです。生活常任委員会も、遅刻点検や服装点検などの活動が、強面の3年生にビビらずにできるようになってきたので、担当の私は、委員会の生徒との会議の中で、より決まりを守らせるためにはどうしたらいいか?というような内容の話をしていました。

で、よくある話ですが、「守れなかった生徒にはペナルティとして掃除をさせましょう!」と、意欲に燃えた委員がキラキラした目で言うので、若くて未熟な私もそれに同意し、「生徒からこんな提案が出ました!」と、先輩の生徒指導部の先生に報告に行きました。さて、その経緯を聞いた先輩は、何と言ったと思いますか?

先輩はふわりとこうおっしゃいました。

「掃除は、汚いと気分が悪いからやるものだろ。罰としてやるものかねぇ?」

・・・まぁ短絡的な自分の浅はかな考えが恥ずかしかったですね。何らかをやらかした生徒に、ペナルティとして掃除を「やらせる」という考え方では、確かに「嫌で面倒な」掃除を「やらされた」としか感じられませんよね。腹が立つだけです。この一件があってから私は、いわゆる「罰掃除」「罰当番」という考え方をしなくなりました。

しかしながら、その後教師生活を送っていく中で、結構な頻度で「罰掃除」は目撃しました。特に多いのが「部活生徒がやらかした(問題を起こした)とき」です。顧問の立場としては、問題行動ばかり起こされているのに、何もなかったような顔をして部活動はできません。ひどく後ろめたい、肩身の狭い思いをします。ですから大抵、何日間の部活動停止(休部措置)を取り、部員全体に反省をうながすということをします。この「連帯責任」については、賛否両論あると思いますが、中学校においてはおそらくそれまでに体験したことがないだろうし、「こういう事もありうるのだ」と知ってもらい、抑止力とするのは、全く無駄ではないと考えます。ただ、あまりにも安易に「〇週間部活停止にします。その間ペナルティとして廊下掃除をさせます。」みたいなパターンが多くてそれに対して「やらかしたら罰掃除すればいいんだろ」と、生徒もパターン化した考えになっている場面がよく見受けられました。本来「やりたくて仕方ない部活を〇週間やらせてもらえないこと自体がペナルティ」であるし、「部活が出来ない間何もしないでブラブラしてるのはなんだか申し訳ないから、何かできることはないか?」と生徒が考え、生徒から申し出てくるような、自発的な清掃活動その他であれば、大いに結構だと思います。(まぁこちらから何も言わずに、生徒から申し出てきた経験は1度しかありませんでしたけどね。その時の部長は大変立派な男でした。)

そういえば、大昔の「いがらしみきを」の4コママンガで「部屋の中で糞をする犬をしつけるために、犬が糞をするたびにお尻を叩いて庭に放りだしていたら、結局犬は部屋でわざと糞をして、自分で自分のお尻を叩いてから庭に飛び出すようになってしまった。」というのがあったなぁ・・・